2026-04

小説

『姉妹探偵』第1編 冷徹な天使と、慈悲深き悪魔030

そして、その隣には――。 小柄だが、背筋をピンと伸ばしてこちらを見つめる、ショートカットの女性刑事がいた。 陸奥 凛音(むつ りおん)巡査部長。23歳。 宗像警部の部下であり、捜査一課に配属されたばかりの若手だ。男臭いこの部屋の中で、彼女の...
姉妹探偵

『姉妹探偵』第1編 冷徹な天使と、慈悲深き悪魔029

「彼らの現場に対する執着心、そして泥臭い足を使った捜査力は、この規模の事件には不可欠です。綺麗な捜査では、この犯人は捕まりません」 私が断言すると、真田部長は渋々といった様子で頷いた。「……まあ、あいつなら手は抜かんだろうな。性格に難はある...
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『姉妹探偵』第1編 冷徹な天使と、慈悲深き悪魔028

「彼らの現場に対する執着心、そして泥臭い足を使った捜査力は、この規模の事件には不可欠です。綺麗な捜査では、この犯人は捕まりません」 私が断言すると、真田部長は渋々といった様子で頷いた。「……まあ、あいつなら手は抜かんだろうな。性格に難はある...
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『姉妹探偵』第1編 冷徹な天使と、慈悲深き悪魔027

* * * それから1時間後。 まだ夜明け前だというのに、警視庁本部の廊下は、蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた。 寝起きのような顔をした捜査員たちが走り回り、電話のベルが鳴り止まない。 その喧騒の中を、私は刑事部長室へと急いだ。 窓の...
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『姉妹探偵』第1編 冷徹な天使と、慈悲深き悪魔026

姉は事もなげにそう言って、電話の発信ボタンを押した。 相手は、水谷川芽瑠先輩だ。 スピーカーから呼び出し音が数回鳴り、すぐに繋がった。『……はい、水谷川です』 先輩の声は、張り詰めていた。背後から怒号や電話のベルの音が微かに漏れ聞こえる。「...
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『姉妹探偵』第1編 冷徹な天使と、慈悲深き悪魔025

やがて、画面を埋め尽くすように表示された言葉たち。 それらはどれも、彼女たちの「善性」を称えるものばかりだった。『困っている人を放っておけない』『いつも誰かのために動いていた』『雨の日、傘を貸してくれた優しい人』 それを見た瞬間、私の中に強...